禅を開かれた〈菩提達磨大師(ぼだいだるまたいし)〉が唱えられた4つの根本的思想があります。それが〈不立文字〉〈教化別伝〉〈直指人心〉〈見性成仏〉です。
禅の四つの思想と二つの入り口
達磨の四聖句
〈不立文字〉〈教化別伝〉〈直指人心〉〈見性成仏〉。禅をこの4つの言葉に収斂されます。学問上はいろいろな説がありますが、私たちは〈達磨の四聖句〉と呼んでおります。一般的には〈不立文字〉から説明されることが多いのですが、ここでは最後の句である最も大切な〈見性成仏〉から追ってお話しいたします。
二入四行論
達磨大師は修行には、2つの方法があるおっしゃいました。 ひとつは文章から得る所の知識・認識から入る〈理入(りにゅう)〉という入口。これはお釈迦様の仏法の根本の理り(ことわり)を深く知る道です。しかし深く究めたとしてもそれだけでは絵に描いた餅でしかありません。
そこでもうひとつは現実における実践から入る〈行入(ぎょうにゅう)〉という入口。お釈迦様の仏法は追体験によって体で会得しなければわからないと述べておられます。文武両道ですね。