普門軒の禅のミカタ

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ダルマさんの四つの思想(4)不立文字(ふりゅうもんじ)

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禅の目的は、仏としての本質・能力を自覚して、本来の自分に戻れ。その方法は、あれこれ考えず自分の心にそのまま向かえばいい。

悟りの境地は文字では表現できない純粋経験にある

教えは文字にはとどまらない

その注意点は、知識や理論から離れればとりわけ伝わってくる。それでは〈不立文字〉とはいかなる思想なのか。これは〈教化別伝〉と対と考える良いと思います。どんな伝え方をすべきなのかを説いているのです。

〈不立文字〉、「文字に立たず」と読めます。「立」と言う字は、人が正面を向いて大地に立っている形にかたどられています。これは単に立つという形ではなく、立ちとどまる形だと言われています。ですから「文字にはできない」というよりも「文字にはとどまらない」と読んだ方がいいでしょう。

よって教えの伝え方も文字にはとどまらない

〈禅〉は文字や文章に書かれていることを理解するよりも、純粋にその文字の内容や文章、話を自ら経験して見よというのです。そしてその純粋経験を伝える際も、文字に頼らずに伝えてなくてはならないというのです。

この〈不立文字〉とは、禅の目的である、仏としての本質・能力の伝え方は武道や芸能、茶道、庭園、料理などもその表現方法となっていくのです。