普門軒の禅のミカタ

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坐禅をしてみたい

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意味や目的を明確に考えず、食事を取るように普段の生活の習慣としてすることが続けることがいいと思います。数年後、何となく坐禅をしていること(実践していること)が心地いいなと思えればよいのです。

「空間、行動、心を調えること」が禅の習慣だとお話しました。「空間、行動、心を調えること」は坐禅によってさらに深まっていくのです。それでは家でもできる坐禅の坐禅の仕方について少しお話しします。

1.坐禅で空間を調える

1−1.坐禅のためのあなた小さな道場づくり

道場をつくると言ってもたいそうなことはありません。いつも掃除をする部屋や、静かな場所を選んで、明かりは暗めにして下さい。壁や窓のようなシンプルな場所で、目の前には、線香を一本付けてもいいでしょう。時間は置き時計をお使い下さい。 そして座布団を2枚用意して下さい。一枚はそのまま敷いてその上に二つ折りした座布団を乗せます。 服装は体を締め付けるようなベルトやGパンなどではなく、ゆったりしたものを選んで下さい。できればいつも同じ服装がいいです。服装を着替えることによって、心づもりもついてきます。

2.坐禅で行動を調える

2−1.座る座布団に一礼をしましょう

変な日本語ですが、実は坐禅をはじめる前から坐禅は始まっています。座布団を両手で持っていつもの位置におく。それから線香を付けるなり、カーテンを開けるなり、いつもと同じ坐禅の空間をつくります。そして座布団に一礼をしてから坐りましょう。このいつもと変わらぬ調った一連の行動も坐禅の一部なのです。

2−2.同じ時間に坐りましょう

坐禅は同じ時間に坐ることが大切です。夜9時なら9時と決めたら、同じ時間に坐ると言うことがポイントです。そのためにあなたは食事を済ませ、お風呂にも入るでしょう。つまり同じ時間に坐りはじめることによって、それまでの行動も調います。調度、朝の通勤電車の時間が決まっていることによって、出勤する時間が調うようなものです。

2−3.同じ時間内で坐りましょう

そして15分なら15分と決めたら、それ以上でもそれ以下でもなく同じ時間内で坐ると言うことも大切です。今夜の坐禅は気持ちいいなー。もう少し坐ろう。そう感じて時間になっても座り続けたとしましょう。その場合、多くは次の日は坐りません。坐りたいときに坐る。これでは行動は調いません。そうならないために同じ時間内で坐りましょう。

坐禅で心を調える

3−1.調身・・・姿勢を調える

〈調身(ちょうしん)〉としてまず押さえることは足の組み方です。足の組み方には2つあり、両足のを両腿(りょうもも)の上にして組む坐り方と、片足だけ腿の上に組む坐り方です。いずれにしても足の裏は天井に向けます。​

【足の組み方】 ​

1.二つ折りした座布団の上に腰を下ろします。
2.右足を左足の腿の上にのせ、左足を外側から右足の腿の上にのせます。このとき、踵(かかと)はできるだけ足の付けにのせられるといいです。
 ※ご自分の乗せやすい方をでどちらの足を先に乗せてもかまいません。
 ※両足は痛くて片足ならいけるという人はそれでもかまいません。
 ※腿では無理な方は脹ら脛(ふくらはぎ)でもかまいません。
3.そしてお尻と両膝の三点で自分の体を支えるように、それぞれの位置を調えて下さい。どちらか一方でも膝が座布団から離れてはいけません。

【手の組み方】

手の組み方にはいろいろありますが、一例をご紹介します。手は左手で右手をしっかりと握ります。その時爪が隠れるようにします。その手を足の踵の上にのせます。手の位置は高すぎず、低すぎずにしましょう。

【全体的な姿勢】

足を組み、手を組んだら、まず上半身を前後左右に数回軽く振ってみて下さい。そして自然に泊まった位置が安定した位置になります。横から見ると、両膝が下がり、お尻が少し高い位置にあります。そしてお臍(へそ)を前に突き出し、胸をはることによって、背骨が少しそった感じになります。肩には力を入れず、その上に頭をのせ、頭のてっぺんは天井を突き破るようにします。

口は閉じて、顎(あご)を少し引き、目は閉じず、前を見るか、少し先(1mくらい)の下を、ミルでも無く見ないでも無く、ただ見てて下さい。 調度、釣りをしたとき竿を引き寄せるような感じです。

3−2.調息・・・呼吸を調える

〈調息(ちょうそく)〉として、呼吸を整えます。はじめに口で腹式の深呼吸をします。この深呼吸は口を普通に開いてお腹の下の方をへこませてお腹の空気を吐き出します。すると空気が自然に入ってきます。呼吸は鼻でします。まず、大きくゆっくり息を吐き出します。呼吸が苦しくならない程度に何回かします。

次第に、静かに鼻でゆっくり呼吸をしていきます。呼吸が苦しくなるほどゆっくりする必要はありません。普段よりも少し長く、ゆっくりだと思って下さい。長く吐き、短く吸うというイメージです。

3−3.調心・・・心を調える

〈調心(ちょうしん)〉とは、一般的な言葉で言うと精神を集中することです。心が調うと、考えが調います。古来より良い姿勢には良い考えが宿るといいます。考えが調うと言葉が調い、そして行動が調う。そういうわけです。 ​もちろん坐禅を始めたら次の日からこうなるわけではありません。始めにお話ししたとおり、期待をせず、ただ坐ること、続けることが大切です。 ただし誤解をしてならないのは坐禅は精神を集中することが目的ではありません。禅の教え(世界観)に生きることが目的であって、そのための方法として、まず調身、調息、調心があるのです。

 

数息観

古来より調心として、数息観(すうそくかん)という呼吸の仕方があります。坐禅を組んで、静かに自分の息を1から10まで数える呼吸法です。これは古来インドにおいて昔から行われた方法です。

私の数息観はじめの息を吐くときに「つ〜」と心数え、吸うときに「ふた〜」と数えます。また息を吐くときに「つ〜」と心数え、吸うときに「み〜」と数えます。10以外は息を吐く時はいつも同じ「つ〜」となります。息を吐く時の方が長いのでいつも同じ「つ〜」の方が安定します。 それを10まで繰り返し、また1から数えはじめます。

坐禅をするにあたって、これが結局最も難しいのですが、それは「続けること」です。休む日をきちんと決めて、時間内で坐ること忘れないで下さい。まずは続けることが目標です。