普門軒では、9月23日は令和元年秋期彼岸会施餓鬼法要のにとなります。ここ数年、一人でも多くの方に参列したいただきたい、いろいろな試みをしているのですが、なかなかうまくはいきません。今年は何人の方に来ていただけるでしょうか。
彼岸会施餓鬼法要ではお施餓鬼と先祖供養をしております
1.本尊様へ読経
「彼岸会施餓鬼法要」では、まずはじめに普門軒の本尊様、十一面子安観世音菩薩にお経をお読みいたします。お経は『般若心経』です。通常、臨済宗のお寺では本尊様には『般若心経』をお読みいたします。
2.餓鬼へ読経(お施餓鬼)
次に、本堂より外に向かってお経をお読みいたします。なぜなら、餓鬼は本堂の建物の中にいるのではなく、外にいるからです。ですから餓鬼に向けた祭壇(施餓鬼棚)も縁側と外を挟んだ場所に設置しています。お経は『大悲円満無礙神呪(大悲呪)』と『大施餓鬼』を読みます。
3.ご先祖様へ読経
餓鬼への法要の後は、普門軒の檀信徒各家のご先祖様への法要です。お経は『菩提和讃』です。和讃とは日本語のお経のことです。このお経の最中に、参列者のみなさんは施餓鬼棚に向かって焼香をします。
4.ご自身へ読経
最後にご自身のために『四弘誓願文』をお唱えして、法要は終了いたします。
5.法話
法要の後は、私の方から20分ほど、ご先祖様への法要でお唱えする『菩提和讃』のお話をしております。
6.墓参
法話が終わりましたら、みなさんのそれぞれのお水塔婆をお持ちになり、墓参いたします。その際に、手作りのお赤飯とハーブティーをお土産として参列者のみなさんにお配りしております。
彼岸会施餓鬼法要の意義
彼岸会施餓鬼法要には、普段の私たちがおつとめする仏事とは違う、2つの大切な意義があります。
普段は無縁の私たち集い、無縁の精霊たちに祈る法要
一つめは、その営む対象が普段は無縁の関係にある精霊たちであることです。二つめは、一緒に営む人々が普段はお付き合いのない方々であることです。普段は有縁に生きる私たちが一年に二回、無縁の精霊に、無縁の人々とお寺に集い法要を営むのです。ですから彼岸会施餓鬼法要は和尚一人ではお勤めできない無縁の法要なのです。
今の時代、自分にとって得するか損するかで判断をしてしまい、自分に無関係なものに心を寄せるというのは難しいものです。だからこそ無縁の法要、彼岸会施餓鬼法要は意義があるのだと思います。
どうぞ、これまで参列してくださっている方々はより一層、無縁に対して心をよせていただき、これまで参列が出来なかった方々は、どうぞ、無縁に対して心をよせ、法要の方にもご参列いただければ幸いです。
そうしていただければ普門軒の250年に渡って続けられてきた無縁の彼岸会施餓鬼法要も、有縁の施餓鬼法要になると思います。