貪・瞋・癡(とん・じん・ち)とは、仏教において克服すべきものとされる最も根本的な三つの煩悩を指し、人間の諸悪、苦しみ、悩みの根元です。三毒ともいいます。
いかり、むさぼり、愚痴我慢
煩悩と本能はどう違うの?
・貪(とん):貪欲(とんよく)ともいう。はてしなくむさぼり求める心。
・瞋(じん):瞋恚(しんに)ともいう。怒りの心。
・癡(ち):愚癡(ぐち)ともいう。真理に対する無知の心。
これらの煩悩を克服する術として、押さえる技として、禅宗ではお釈迦様がそうされたように、坐禅を重視しているわけです。
お坊さんは何で丸坊主なの?
僧堂(そうどう:修行道場)では、四と九のつく日を「四九日」(しくにち)といい、この日は剃髪(ていはつ)と言って、頭の毛を剃ります。また午前中は四九日掃除といっていつもより長めの掃除の日です。掃除の後は開浴(かいよく)といってお風呂に入ります。つまり四九日の日以外はお風呂に入れません。
私もできる限り、僧堂の生活用式を踏襲したいので、普門軒では四九日の前日の晩に剃髪をしています。剃髪は頭をお湯でぬらし、それからひげ剃りでそっています。なぜお坊さんは頭の毛を剃るのでしょうか。それはお釈迦様は「貪・瞋・癡(とん・じん・ち)の心が起きたならば、まず自ら頭の毛を摩(な)ずべし」とおっしゃったからです。それで坊さんといえば丸坊主なんですね。