普門軒の禅のミカタ

普門軒のブログ:毎週月・金に更新、できれば・・・

ミーン、ミーン。ひたすらに、一心に、赴くままに

f:id:fumonken:20190822125436j:plain「禅」。示偏に「単」と書きます。「示す」とは何が示されているのでしょうか。示偏は元来、祭事に関わる字に用いる偏です。つまり「示す」とは神々や仏の心が示されているという意味なのです。

禅は何を示しているというのか

蝉にも「単」がつくけれど

禅とは神々や仏の心が単純に示されているもの、形、スタイルであるといえます。またその道筋が単純に示されているものです。

禅はシンプルである。なるほど字の通りです。何がシンプルなのか。それは仏の心そのものが元来シンプルなのであり、それに向かう教え、道筋がシンプルなのです。シンプルとは、ただ「一心に」「ひたすらに」「おもむくままに」「一途に」という言葉に言い換えられます。

「蝉」。虫偏に「単」と書きます。蝉はただ一心に、ただひたすらに鳴きます。鳴くことによって得するわけでもなく、その先に答えがあるから鳴くわけでもない。ただひたすらに鳴き尽くす。

「寒蝉枯木を抱き、鳴き尽くして頭を回らさず」
(かんせんこぼくをいだき、なきつくしてこうべをめぐらさず)

『禅林句集』