普門軒の禅のミカタ

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教える、諭す、親しませる

f:id:fumonken:20191223065332j:plain先生のことを教諭といいます。最近あまり聞かれなくなった言葉に、「諭す(さとす)」という言葉があります。読めない人もいるのではないか。代わって「教える」という言葉は頻繁に使われています。

ものの道理をわかるように伝える

教えると諭すの違い

 「諭す」とは、目下の者にものごとの道理をよくわかるように話し聞かせるという意味です。一方「教える」とは知識・学問・技能などを相手に身につけさせるよう導くという意味になりますね。「諭す」とは「教える」よりも、内容に深さと広さがあります。人間の深さ、諭すもの自身に人格が必要となってくるのです。教師と生徒というよりもより深い、師と弟子や恩師と教え子という関係性が求められてくるわけです。その関係には目下のものの師に対する深い尊敬の念もあるのではないでしょうか。私は坊主ですから、人々に物事を伝える際は「諭す」という思いを忘れずに、伝えられるようになりたいと思っています。そのため日頃の修行が大切になってくるわけだ。

親のつとめは親しませる

また「親」と書いて、「親しい」と読みますね。これはとても示唆のある意味深い訓読みです。親の仕事は知識や技術を教えたり、ものの道理を諭す以前に、そういう空気やそういう行為に「親しませる」事でないかと思います。