普門軒の禅のミカタ

普門軒のブログ:毎週月・金に更新、できれば・・・

終戦を軸にした世代の変化を、よーく考えてみたい

f:id:fumonken:20190822125519j:plain今朝はフランス人のジャーナリストと日本の高齢者についてお話ししました。そのときの茶礼のメモです。

今の日本人ですか。元来の日本人ですか。

取材に前にお話ししたこと

1945年8月15日、終戦の詔勅が発布されました。この御詔勅もって日本人は大東亜戦争の戦闘が終結したことになりました。あれから74年目になります。

今朝、お越しになったフランス人ジャーナリストは、日本のご老人の『死』や『老い』に関する取材をしています。そこで伝統仏教や、日本人の宗教観を通して、この問題について取材したいとのことでした。

私は彼女に「日本のご老人の『死』や『老い』についてのご質問ですが、それは今の日本人ですか、元来の日本人ですか」と尋ねました。

私は彼女に、あなたの取材したい関心事を理解するため、また現代日本人や日本社会を理解するためには、その前提として1945年に戦争に負けて社会が変革した影響をおさえないといけませんとお話ししました。

祖父と父と私の場合

1909年に私の祖父は生まれました。終戦時に36歳です。つまり私の祖父は幼少期、小学校、中学、大学、社会人を戦前の日本社会で過ごし、残りの人生を戦後の日本社会で過ごしました。

1944年に私の母は生まれました。終戦時に1歳です。私の父は幼少期を戦前の日本社会で過ごし、残りの小学校、中学、高校、社会人を戦後の日本社会で過ごしました。

1972年に私は生まれました。終戦後27年です。私は生まれた時から戦後の日本車かで過ごしてきています。

1960年代、日本は高度経済成長を遂げます。終戦から15年から25年ですね。私の祖父は50代の頃です。私の母は20代の頃です。

つまり1960年は、戦前にすでに大人になっていた世代と、戦前の人に育てられ、戦後に育ち、大人になった世代との時代です。その社会は紛れもない戦後という時代の社会ですが、その要素には戦前的なるものがまだまだ大きい比重を占めていました。

今、2019年、終戦から74年を迎えます。私の祖父は生きていれば110歳。私の父も79歳、私は47歳です。

つまり2019年、戦前にすでに大人になっていた世代は本当にわずかになり、戦前に生まれ、戦前の人々に育てられた、戦後に育った世代は老人になり、戦後に生まれ、戦後の人々に育てられ、戦後に育てられた世代によって、今の社会は営まれています。もう10年も経てば、戦後に生まれ、戦後に育てられた世代が老人になるのです。

戦前に生まれ、戦前の人々に育てられた、戦後に育った今のご老人

フランス人のジャーナリストに「日本のご老人の『死』や『老い』についてのご質問ですが、それは今の日本人ですか、元来の日本人ですか」と尋ねました。

私は彼女に、「今の日本のご老人」というのは、戦前に生まれ、戦前の人々に育てられた、戦後に育った世代です。ですから戦前的なるものと戦後的なるものとが混在している世代です。そこをしっかりと押さえる必要がありますと、まず、お話ししたのです。

また続きを書きます。