普門軒の禅のミカタ

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暮らしの舞台、暮らしの鏡。それが建物

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鎌倉時代に禅僧は、禅という新しい宗教の教えとともに、書道、山水画、茶道、武道、食など、禅の教えや世界観を表現したいろいろな文化ももたらしました。その中に寺院建築と庭園があります。

天地と我と同根、万物と我と一体

トイレだって重要な建物

特に寺院建築および庭園には「天地と我と同根、万物と我と一体」といった禅の世界観が強く表現されています。禅宗のお寺では、他の宗派のように青や赤、金といった華麗な極彩色豊かな装飾は見られません。また禅宗では儀式だけでなく、禅僧の生活そのものも重視するので、東司(とうす:便所)や浴室などもお寺にとって重要な建物としての七堂伽藍に加えられています。

いわゆる四畳半の和室(書院座敷)は、もともと禅寺の住職の居室がその原型なんです。雅な平安貴族の儀式性の色濃い寝殿造りから、質素、質実な暮らしの舞台、書院造りへと発展していきました。

今日はこのあたりで。